1.多様化する技術者と難しい本流の見極め(細分化された分業体制)

システム開発を登山に例えると、頂上に至る(必要な機能や性能の実現)にはさまざまな道(実現手法や実現技術)があります。ハードウェアの急速な進展によって、過去では実現不可能だった手法や技術が実用化され、それが更にハードウェアの進化を促します。
これらの手法や技術は、他のもっと便利で高機能なものに置き換わる可能性が常にあります。すなわち、現在主流とされている技術であっても、将来に渡ってそれが存続する保証はありません。このような状況にあるなか、システム開発技術者は、どのような技術を使えるかが、技術者としての寿命を決めると考えられることがあります。
しかし、要素技術が使えるだけが技術者としての価値なのでしょうか。 手法や技術は時間とともに変われども、技術者として普遍的に必要な能力が備わっていれば、永きに渡ってシステム開発の分野で価値ある技術を発揮できるものと私どもは考えています。

2.顧客への効果

情報処理システムは、お客様の仕事に深くかかわりながら使われてゆきます。
過去の情報システムは、省力化や合理化の手段として使われていることが多く、それはおおむね数値として効果が測定することができました。
しかし昨今はこのような手段ばかりでなく、お客様のビジネスの支援をおこなったり、お客様の企業価値を高める目的で使われることが多くなってきました。
これらは数値では計測しにくい効果を期待しています。
こんなシステムを開発するときは、お客様と密接なコミュニケーションが欠かせません。システム構想を練る段階から設計・開発・導入を経て軌道にのるまで、お客様と一心同体になって、ひとつのビジネスモデルを作る意気込みがないとお客様の満足を得ることはできません。 私どもがシステム開発をするときは、このように「何が、お客様にとって効果をもたらすことか」「それに対し、システム開発側は、どんなことをするのがベターなのか」を常に考えて行動する必要があります。

3.上流志向と専門志向へ

このようにシステム開発の状況は、仕様として与えられたシステムを作って納入するのではなく、自ら仕様を決定し、導入し、評価をすることが望まれます。このようなことをできるひとを私どもは上流志向のシステム技術者と呼んでいます。
これからもっとも必要とされる人材とみています。
他方、これらの要求を高度な技術で実現する技術者も必要です。常に最新の技術動向を見極め、将来を予測し、技術の本質を外さずにシステム化の目的に最適な手法を選択し実現する技術者です。このようなことをするひとを私どもは専門志向の技術者と呼んでいます。
上流志向、専門志向、このふたつの技術者が両輪となって、私どもはお客様の問題を解決してゆく企業活動を続けてまいります。