流通業事例

高い効率と精度を保ちながら必要な時点で商品を供給できることは、流通業様の必須事項と言えます。消費者の嗜好を先読みし、適切な商品供給を実現することは、残念ながら私どものシステムでは不可能です。しかし、その困難な業務を遂行されるバイヤー担当様やマーチャンダイザー様に、消費者動向を示すデータをご提供することは可能です。

このような機能は営業支援システムとして、私どもは数値データだけでなく画像や音声データなどを指定された様式で収集し、お届けするシステムの構築をおこなってきました。指示された商品を単品で供給できることは、現在の流通業様では不可欠です。ここには輸送コストの低減や売価管理、更には店舗間の商品移管や売れ筋動向の把握など、さまざまな要因が関与するため、これらの情報を一体化して表現し、意思決定を支援することが必須であると私どもは考えます。

ここでご紹介する事例は、アパレル単品について店舗ごとの発注点を設け毎日夕刻での店舗在庫をもとに発注管理をおこない夜間配送をもって翌日に店舗在庫を補充します。単に発注点管理方式に基づいた補充発注業務と捉えられますが、発注予定そのものを消費者動向とみなし、商品の画像とともにマーチャンダイザー様に情報を提供することで商品補充の人的コントロールを可能としています。

当社では、システム化にあたってシステムの可用性を重視し、ネットワークについては重複系統を準備するなど障害発生時の自律対応を可能とさせました。これは工場間の製造ラインのネットワーク化で経験した二重化の考え方が役に立ちました。また、店舗の増減に容易に対応できるよう、店舗端末機能の簡素化に努め、これはWeb系技術を活用することで実現できました。

流通業には、多様化する消費者ニーズに訴える「個」の対応が必須とされます。大量に収集されるデータをどのように活用するかが、お客様企業を勝ち組に導くと当社は考え、これからもデータを価値ある情報に活用するシステム化を実現してまいります。

自動受発注システムの流れ

自動受発注システムの内容

発注点管理方式による自動発注機能を主体にしたシステムで、比較的単純なシステム構造であると言えます。しかしながら店舗独自の商品選択を可能にし、あわせて本社の商品管理部門で全社的統括を可能とする機能を持たせ、機械的な商品供給だけではない柔軟な商品戦略を実現することが出来ました。

このお客様の場合、システム化前の商品発注は昼間におこなっていましたが、システム化によって夜間発注を可能とし、これが店舗で消費者の顔を見ながら発注品目の決定を可能とさせました。

システム導入により、商品の全社在庫の減少を達成させたことは確かですが、それよりも売れ筋動向を地域別・店舗別に分析出来ることで商品化計画への情報提供に貢献できました。季節ごとに商品入れ替えが必須のアパレル商品ですので、このシステムの真価は翌年に更に大きく発揮できたと言えるでしょう。